カジノロワイヤルの手帖

banの映画感想&小説漫画音楽路上日常雑感。

映画

最近観た映画のメモ(2024年3月 その2)

アカデミー賞は毎年楽しみですけど、いらん騒動抜きでみたいですね 『内海の輪』(1971)監督:斎藤耕一 初見。松山で呉服屋の女将をやっている岩下志麻。東京で考古学者をやり義父の力で将来も安泰な中尾彬。二人は互いに配偶者がいながらダブル不倫生活を…

最近観た映画のメモ(2024年3月)

『黄龍の村』(2021)監督:阪元裕吾 初見。ネトフリで評判になってるらしく、尺のコンパクトさ(66分)もあって観てみました。キャンプに出かけたウェ〜イ度の高い男女8人( ま た か )。お決まりのウェ〜イ行為を野放図に繰り広げるため観客のイラつきメ…

最近見た映画のメモ(2024年2月 その2)

観たい映画を全部観るには人生は短すぎやしませんか。どうですか。 『駅馬車』(1939)監督;ジョン・フォード 初見。お勉強のため鑑賞。恥ずかしながら初ジョン・フォード。駅馬車とは今の乗合バスの馬車版です。アメリカの西部開拓時代、町と町とを繋いで…

最近観た映画のメモ(2024年2月)

時間を作ってちまちま観ています。 『レイジング・ブル』(1980)監督:マーティン・スコセッシ 初見。「怒れる雄牛」の異名を持つ実在のボクサー、ジェイク・ラモッタの栄光とその内幕を、当時のイタリア系アメリカ人社会の裏表を絡めつつ描く伝記映画。主…

最近観た映画のメモ(2024年1月 その2)

『アラビアのロレンス』(1962)監督:デヴィッド・リーン(1/19) 初見。名作オブ名作オブ名作とのことなのでお勉強のために鑑賞。オスマン帝国に支配されたアラブの民を解放すべく戦ったとされる、英国軍中尉のT.E.ロレンスの活躍と苦悩を描く超大作。はし…

最近観た映画のメモ(2024年1月)

『オズの魔法使』(1939)監督:ヴィクター・フレミング(1/11) 初見。名作との誉れ高いのでお勉強のために鑑賞。うわぁ…。これはなんというか凄い。なんでしょうこのキャンプな雰囲気は。カラー映画最初期のこってりとした色味、それを強調する極彩色の美…

最近観た映画のメモ(2023年12月 その2)

子供が冬休みに入ったので好き放題映画を見るチャンスが減少。テレビの奪い合い〜。 『キャッチ22』(1970)監督:マイク・ニコルズ(12/13) 第二次大戦末期のイタリア戦線。駐留するアメリカ空軍の基地にはびこる不条理と腐敗と混沌をブラックな笑いに包ん…

最近観た映画のメモ(2023/12)

『スケアクロウ』(1973)監督:ジェリー・シャッツバーグ(12/2) 初見。神経質で喧嘩っ早いジーン・ハックマンはムショから出たばかり。人懐っこくて道化者のアル・パチーノは性別も知れない我が子に会いに行く途中。出会った二人があちこちで騒動を起こし…

最近観た映画のメモ(2023/11 その2)

『レッド・サン』(1971)監督:テレンス・ヤング(11/18) 初見のはずだけど一部シーンに既視感があり、たぶん幼少のころテレビの洋画劇場で目撃したんじゃないかな。ウルスラ・アンドレスが濡れた革紐を首に巻かれて炎天下に放置され死にかけるシーン。な…

最近観た映画のメモ(2023/11)

『崖の上のポニョ』(2008)監督:宮崎駿(11/4) 実は初見。内容をほぼ知らずに観たんですが、こんな不穏な映画だったの?魚が魔法の力で人間になって好いた男の子と一緒になる、というメルヘンチックなストーリー、可愛らしいキャラクターに絵本のような美…

最近観た映画のメモ(2023/10 その3)

ここしばらく時間ができたのでインプットにこれ務めるなど。 『レヴェナント: 蘇えりし者』(2015)監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ(10/27) 初見。19世紀のアメリカ大陸。男やもめのディカプリオは息子とともに森で毛皮狩りをやってました…

最近観た映画のメモ(2023/10 その2)

『サボテン・ブラザーズ』(1986)監督:ジョン・ランディス 30年ぶり2回め。20世紀初頭。野盗に襲われるメキシコの小さな村。そこの村長の娘っ子は用心棒を雇うべく街に出てきて荒くれ者を募りますが相手にしてもらえません。たまたま入った活動写真屋で目…

最近見た映画のメモ(2023/10)

『パラサイト 半地下の家族』(2019)監督:ポン・ジュノ 初見。ポン・ジュノは『殺人の追憶』が大変面白かったのですが、今作も黒い笑いとサスペンスと社会批判が高度に組み合わさった上にめっぽう面白いという傑作でした。とくに中盤からの物語が全く先が…

ついに完結か!?傑作『ジョン・ウィック:コンセクエンス』(2023)

監督:チャド・スタエルスキ。出演:キアヌ・リーヴス、ドニー・イェン。前作からもう4年か。どんな話だったか記憶が曖昧です。年かな。えーと殺し屋組合のトップ会議「ハイテーブル」にハメられ、コンチネンタル(殺し屋御用達ホテル)の支配人からまさかの…

ありそうでなかった組み合わせ『続・激突!/カージャック』(1974)

こういう邦題がついちゃうほど『激突!』のインパクトは大きかったんでしょうか 監督:スティーブン・スピルバーグ。主演:ゴールディ・ホーン、ウィリアム・アザートン。ケチな盗みで仲良く懲役を食らった夫婦一組。妻のルー・ジーン(ゴールディ・ホーン)…

シャチ対ダンブルドア校長・北極の大決戦『オルカ』(1977)

ちょっと大きすぎないですか 監督:マイケル・アンダーソン。主演:リチャード・ハリス、シャーロット・ランプリング。カナダのとある漁師町。いっちょシャチを捕まえて水族館に売っ払い一儲けしたれ、という魂胆でシャチの群れにモリを放つ漁師ノーラン(リ…

やりおった!『007 ノー・タイム・トゥー・ダイ』(ネタバレあり)

公開延期前のだ。待たされましたね〜 監督:キャリー・ジョージ・フクナガ。出演:ダニエル・クレイグ、ラミ・マレック、レア・セドゥ。前作『スペクター』のラストで手を取り合って出奔したボンド(ダニエル・クレイグ)とマドレーヌ(レア・セドゥ)。つか…

オジサンによるオジサンのための映画『テレフォン』(1977)

ヤッツケ感あふるるジャケット 監督:ドン・シーゲル。主演:チャールズ・ブロンソン、リー・レミック。ドナルド・プレザンス。いまだ米ソが元気に冷戦していた頃、しかしなんとなく雪解けの気配も見えてきた頃の話。母国の権力闘争に敗れてアメリカに落ち延…

シシー・スペイセクという依代『地獄の逃避行』(1973)

ぞんざいな邦題はTV放送のときにつけられました 監督:テレンス・マリック。主演:マーティン・シーン、シシー・スペイセク。1950年代のアメリカの田舎町。清掃員をやりながらくすぶっていた青年キット(マーティン・シーン)は、ある日庭先でバトンの練習を…

だだ漏れる執念『JUNK HEAD』(2021)

監督(およびその他ほとんどの工程):堀貴秀。人類は遺伝子操作によって永遠の生命を得た代わりに、生殖能力を失ってしまいました。一方地下深くでは人工生命体マリガンが繁殖し、独自の生態系を形成していたのです。人類は事態の打開にマリガンの遺伝子情…

実は映画史的に重要かもしれない『ウエストワールド』(1973)

監督:マイケル・クライトン。出演:ユル・ブリンナー、リチャード・ベンジャミン、ジェームズ・ブローリン。なんの流れか先日いきなりNHK-BSで放送されたので思わず録画です。砂漠の真ん中に作られた巨大テーマパーク「デロス」。そこは古代ローマ、中世ヨ…

新しいホラーを目指すのか『樹海村』(2021)※ほんのりネタバレあり

監督:清水崇。出演:山田杏奈、山口まゆ。富士の樹海の奥にはその昔口減らしのために捨てられた者が生き残って村をつくっておったのじゃ…。という都市伝説に、ネット怪談としてつとに有名な「コトリバコ」伝説をミックスした一粒で二度おいしいホラー映画。…

濃厚な80年代み『ときめきに死す』(1983)

監督:森田芳光。出演:沢田研二、樋口可南子、杉浦直樹。ある新興宗教組織に雇われ、北海道の田舎の一軒家を守る医者(杉浦直樹)。そこに一人のテロリスト(沢田研二)が送り込まれてきます。医者の任務とは、このテロリストの生活を全面的に世話し、きた…

活魚感『テンタクルズ』(1977)

生頼範義先生! 監督:オリバー・ヘルマン。出演:ジョン・ヒューストン、ボー・ホプキンス、シェリー・ウィンタース、ヘンリー・フォンダ。アメリカのとある海辺の街。ここの海で不可解な変死が相次ぎます。死んだ者たちは内蔵や骨の髄を何やら強烈な力で吸…

ステイホームちょう大事『クリスタル殺人事件』(1980)※微妙にネタバレあり

原作:アガサ・クリスティー。監督:ガイ・ハミルトン。出演:アンジェラ・ランズベリー、エリザベス・テイラー、ロック・ハドソン、キム・ノヴァク、トニー・カーティス。往年の大女優マリーナ(エリザベス・テイラー)と、その夫で監督のジェイソン(ロッ…

実はカルトなのか?『血のバレンタイン』(1981)

監督:ジョージ・ミハルカ。主演:ポール・ケルマン、ロリー・ハリアー、ニール・アフレック。アメリカ東部のとある鉱山町。そこで20年前のバレンタインデーに起こった悲劇。早く帰ってバレンタインのパーティに行きたい鉱夫が安全確認を怠ったため爆発事故…

なんで戦ってたんだっけ『ジョン・ウィック:パラベラム』

監督:チャド・スタエルスキ。主演:キアヌ・リーブス。お待ちかねの第3弾ですね。前作で殺し屋組合の掟を破ってしまい、世界中のその筋の方々から狙われる羽目になったジョン・ウィックさん。1時間後にはどえらい賞金がマイ首にかかってしまう。さあこれ…

昭和のドラッグ映像『影の車』(1970)※ネタバレあり

大事なことなので「松本清張」と二回書いてあるDVDジャケ 原作:松本清張。監督:野村芳太郎。主演:加藤剛、岩下志麻。旅行会社勤務の加藤剛は仲の冷え切った妻(小川真由美)との生活に虚しさを感じていましたが、ある日通勤バスのなかで同郷の岩下志麻と…

心の闇に呑み込まれる恐怖『ザ・バニシング -消失-』(1988)※結末ネタバレなし

監督:ジョルジュ・シュルイツァー。主演:ジーン・ベルヴォーツ、ベルナール・ピエール・ドナデュー。オランダから南フランスへ休暇を楽しみに来た若いカップル。高速のサービスエリアでもっちゃもっちゃと幸せな時間を過ごし、さて行きますか、あちょっと…

チャラそうでチャラくない、少しチャラい『サタデー・ナイト・フィーバー』(1977)

意外に真似できないこの腰の入れ方 監督:ジョン・バダム。主演:ジョン・トラボルタ。NYの下町ブルックリンでペンキ屋勤めに精を出すトニーちゃん(ジョン・トラボルタ)。給料は安く親は固く彼女はおらぬ、というまことにボンクラな生活を送っています。ボ…