カジノロワイヤルの手帖

banの映画感想&小説漫画音楽路上日常雑感。

アメリカン・サイコ

バブル期の世間の浮かれっぷりに対して憎悪に近い感情を持つわたくしとしてはたいそう愉快な映画。クリスチャン・ベール演じるハイソなヤンエグ君の見事なカラッポぶりが笑えます。まるでポケモンカード対戦のようなマイ名刺出来栄え合戦や、ホイットニー・ヒューストンとかヒューイ・ルイスとかの当時の売れ線音楽に対するもっともらしい(が中身のない)持論をくどくどくどくど延べたおす主人公というギャグの冴えは見事。そのカラッポな中身を満たすためには殺人しかなかったんだよ、というのがこの映画の病みポイントですが、まあそういう社会病理とか自己同一性とかの深読みは置いといて「このスカタンが!」の一言で片付く映画です。たいへん笑えるので必見。