カジノロワイヤルの手帖

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「鬼火」横溝正史

横溝正史の非金田一もの短編集。全編にあふれる絵双紙趣味とグロテスク趣味。講談調の語り口と陰鬱な描写が印象深い表題作、小説内小説内小説という凝った構成の「蔵の中」、物言わぬ人体模型の白骨に失踪した父の面影を見る「面影双紙」あたりが際立っています。いわゆる推理小説ではなく、江戸川乱歩が好んで書きそうな幻想譚で、やはり肺病で床に伏せていたころの横溝正史は相当鬱屈してたんだなあと考えたり考えなかったり。