カジノロワイヤルの手帖

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大水木しげる展@旭川

明けて日曜。旭川まで出向き、道立美術館にて開催中の「大水木しげる展」を見学。想像以上にディープかつ膨大な展示物に大満足でした。水木しげるというと、天才肌の異色漫画家、というように考えがちですが、有名な作品の陰には、どこに発表するでもなく描いていた絵やスケッチ、生活のために追われるように描いていた紙芝居や貸本漫画が数え切れないほど隠れており、鬼太郎悪魔くんといったメジャーな漫画はその膨大な作品数の氷山の一角なわけで、天才の裏打ちとしてこのような惜しみない努力が隠されていたことにやたら感動したりしなかったり。
あとまあよく言われていることですが、一番強烈な妖怪は鬼太郎でもネズミ男でもなく、ほかならぬ水木しげる本人である!…ということが妙に納得できたことであります。展示している方もそのことを意識してるらしく、展示の一番最初は水木しげる本人のリアルな1/1フィギュア。しかもときどき不気味な声で「イヒッ!イヒヒヒヒ…」と笑うギミックつきという凶悪なシロモノで、入り口あたりから「ギャー!」「か”−え”−り”−た”−い”−!」とマジ泣きするお子様の悲鳴がコンスタントに聞こえてくるのはさすが水木先生!と妙に感心したことであります。