カジノロワイヤルの手帖

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華氏911

華氏 911 コレクターズ・エディション [DVD]
録画物をチェック。この映画を見る前から、自分としては反ブッシュだし、イラク戦争はどう考えても間違いとしか思えなかったしで、特に見る前と見たあとで政治的スタンスが変わる、という事は無かったですよ。ただこの映画は諸刃の剣のようなものだと思います。これは一般的に思われているような「ドキュメンタリー」では決してないことに大いに注意。これは明らかに反ブッシュのプロバカンダとしての映画です。だから、ジャーナリスティックな公平性や、視点の中立さというものは無く、明らかにブッシュを攻撃するために映画そのものが構成され、編集されている。観客がそれに気付いた瞬間、「ちょっと待てよ」と一歩引いてしまう可能性もあるわけです。諸刃の剣とはこういうことで、監督が自分の告発したいことを存分に語っている反面、そのやりくちに疑問を抱いてしまう瞬間も無い訳ではない、と。
でも、この映画がおととしの大統領選に合わせて公開されて、世界を動かしかけていたという事実は凄いことで、もし上映された地域がもっと多かったら(実際上映を拒否された所もあったらしい)、今頃世界情勢は全く変わっていたかもしれません。観たあとではイラク戦争の無意味さを改めて思い知らされます。マイケル・ムーア、次は何をテーマに映画作ってるんだろう。気になります。