カジノロワイヤルの手帖

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「LOVE」ザ・ビートルズ

LOVE (通常盤)
というわけで中学高校とビートルズを聴いて育ったものとしてはやはりマストであろう。と思って買ってきました。今まさにファーストリスニングの最中。聴きながら文章を書いています。「とくダネ!」のOPトークで紹介されてたときは「ゲット・バック」における激しいコラージュされっぷりが強調されていたので、こりゃアルバム通してコラージュ全開なんだろうなあ…と思ってたらそうでもないな。少なくとも「エリナー・リグビー」「サムシング」「抱きしめたい」「アイ・アム・ザ・ウォルラス」「HELP!」あたりは原型をかなりとどめた、コラージュではなくリミックス版という印象。全体通して断片化されたビートルズの曲がカオスの如く混ぜこぜになっているかと思ってたけど、そうでもないです。
いま「ブラックバード」が始まったけど「イエスタデイ」へのつなぎも無理がなくコラージュというよりはDJプレイみたいだな。逆にコラージュの激しい箇所は良くも悪くも耳を裏切られる感じ。このへんはビートルズの思い入れの深さによっていろいろ評価が変わってくるのでしょう。いま「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」が掛かってますが、このバージョンはけっこういいなあ。サイケ色の薄いストロベリー・フィールズ…と思ってたら最期はカオスになってるよ!次「ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー」なんと「トゥモロー・ネバー・ノウズ」における30年早かったビッグ・ビートに乗ってます。この組み合わせや異常に相性良し。というわけでタイピングをいったん中断させて頂き、リスニングに集中させていただきます。いま、「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイヤモンズ」…。


追記:
今聴き終わりました。コラージュやマッシュアップは意外性があって全体的には良かったし、原型をとどめている曲もリマスタリングによって音質や音像がクッキリしているのがよろしい。サー・ジョージ・マーティンがオケを書き下ろした「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウイープス」だけが実質的に新作と言えますが、これも良かった。オケがジョージの泣かせるヴォーカルを引き立ててます。
しかしひとつ苦言を。このプロジェクトはビートルズ新作としてのものではなく、サーカス団”シルク・ドゥ・ソレイユ”のショウ「LOVE」のサウンドトラックとして作成されたことがライナーノーツ読まないと判らないことで(たしかにそれ読む前にブックレットのアートワーク見たときは「あり?なんなのこのサーカスみたいなのは」と思いました)、「ビートルズの新作」として聴くか「ショウのサントラ」として聴くかとでは評価が全く変わるところもあるでしょう。すくなくとも実質は「ビートルズの新作」ではありません。そう考えて聴くと納得のゆく内容だったと思います。