カジノロワイヤルの手帖

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ゲゲゲの鬼太郎

ゲゲゲの鬼太郎 (講談社プラチナコミックス)
筋金入りの水木しげるファンである同居人が公開開始と同時にそわそわし始めたので一緒に行ってきました。おそらく自分一人なら華麗にスルーしていたであろう映画ですが、最近この手の日本映画(漫画の実写化)がどうなっているのか気になってたのと、ネズミ男大泉洋猫娘田中麗奈という絶妙のキャスティングに惹かれたのである一定の興味を持って鑑賞に臨んだわけでございます。以下感想。


感想1)
つまるところ、これはコスプレ映画ですな。ウェンツ君のファンは鬼太郎のコスプレをした凛々しいウェンツ君に萌えー。田中麗奈のファンはエンディングの猫踊りに萌えー(これには自分もやられました。か…可愛い)。大泉君のファンはいつもの大泉節でアドリブをかまし笑いをさらってゆくネズミ男にニンマリ。と各人各様にファンの皆様はご堪能できるのではないでしょうか。その他各種妖怪の皆様を各界の有名人が(声の出演も含め)演じておられ、とくに中村獅堂演ずるところの天狗様におかれましては、公家顔ベースに鼻がニョッキリ長くて色白、という未だかつてない珍妙な天狗メイクで飲んでいた茶が鼻から噴出します。その他、メイク以外はいつもと全く変わらない子泣きじじい間寛平および輪入道=西田敏行、言われなければ一体誰だか判らないメイクの濃さの砂掛けババア=室井滋、おそらく拘束時間半日くらいで出てくれたと思われる天狐=小雪、など各人各様のコスプレっぷりが炸裂。おのおののファンの皆様にはいろいろ楽しめるのではないかと思われます。


感想2)
まあ妖怪と言っても人間体のものからそうではないものまで各種ありますので、人間のメイクでおっつかないところはCGで、ということになるのですが、この点については論ずると爆裂に長くなりそうなので割愛。あえて申しますと、つまるところ邦画のCGというものは一体なぜ時代を超越して常に『大霊界』みたいになってしまうのか、という何年か前に感じた疑問をまたも抱いてしまった、というところでお察しいただきたいと思います。しかしCGの世界もアニメ同様、人件費の安い中国に発注する事が多くなったんですなあ…。こういう日本古来の民俗をテーマとした映画ですらそれをやってしまうのか。とエンドクレジットを眺めながら去来する複雑な気分。何年か前に歌舞伎の舞台のシーンを中国に発注してしまって無駄な苦労を背負ってしまった某現場を目撃しているだけに、この映画のスタッフの皆様が心配です。


感想3)
熱烈な水木しげるファンの同居人は鑑賞後に「贅沢は言わないよ。この漫画を実写化してくれただけでも有り難いよ」といういじらしい感想を述べておられましたが、その彼女をして「それにしても脚本がアンマリだ!」と言わせずにはおれないお話のテキトーさにはオイラもツムジから湯気が立ちのぼる思いです。特に話の展開のご都合主義っぷりには「日本映画もまだまだここまで開き直れる根性があるのか」と感動すら覚えた次第です。


感想4)
と、いろいろ文句も言いたくなる映画でしたが、田中麗奈猫娘ダンスが爆裂に可愛かったのでいいや。赤いミニのワンピースの裾からふさふさと黒いファーがチラ見えるコスチュームも含め、麗奈ファンは必見。しかし猫娘にしてはややトウが立っている気がしないでもないですが…まあ可愛いもんは可愛いよ。ええ。