カジノロワイヤルの手帖

banの映画感想&小説漫画音楽路上日常雑感。

ピンク・フロイド/ザ・ウォール

ザ・ウォール [DVD]
録画物をチェック。ピンク・フロイドの有名なコンセプトアルバムの映画化。つか実はこのアルバム聴いてないです。映画先に観ちゃった。申し訳ない。誰にだ。
もともとがストーリー性のあるコンセプトアルバムなので、映画はそのコンセプトを忠実になぞっております。ファシズムへの批判、全体主義への嫌悪みたいなのが主人公(ボブ・ゲルドフ)のラリリ状態の妄想を通じて描かれ、時折悪夢みたいなアニメーションを挟みながら結局はゲルドフちゃんがラリッたままファシズムに対する諦観を漂わせて終わるという感じだったと思いますが、なにせこちらも泥酔しながらの鑑賞だったのでどうも最後のほうがムニャムニャでした。申し訳ない。だから誰にだ。
題名の「壁」とは全体主義を象徴する言葉であり、所詮人間は壁を構成するレンガの一つに過ぎないんだよ、オレらをレンガの型にハメる教育なんかまっぴらゴメンだ、というのがシングルになった「アナザー・ブリック・イン・ザ・ウォール(パート2)」です。曲は取り立ててキャッチーでもメロディアスでもなく、どんより辛気くさい叫び念仏のような歌なんですが、これが全米No.1ヒット。やっぱり当時の若いリスナーはこの詞の内容にピピンと来たんだろうなあ。比喩として直感的に判りやすいし、メッセージもストレートだし…。
全体として、一つのシングルにではなく、一つのアルバムに対して作られたPV、という観方もできます。MTV以前ですから、PVという意識はなかったんでしょうけど…。そもそもアルバム一枚を丸ごと忠実に映画化、というのは寡聞にして他に例を聞いたことがありません(ライブパフォーマンスの記録映画は別)。そういう意味で今のところ唯一無二の映画なの、かも知れません。えーではアルバムのほう、買ってきて聴きます。