カジノロワイヤルの手帖

banの映画感想&小説漫画音楽路上日常雑感。

ザ・リング

ザ・リング [DVD]
イギリスの雑誌"Total Films"による「この10年に映画史を変えた10大事件」の中に「Jホラーの出現」がランクインされたとかされなかったとか(映画秘宝2007年7月号より)。では他の9件は何だったんだろ。まあそのくらい近年の日本映画の恐怖描写は先鋭化されておったわけですが、それをハリウッドがリメイクしたらどうなるのか興味があったので録画物でチェック。当然元ネタの日本版は観ているので、主に怖さの表現がどう違ってくるんだろう、というあたりにフォーカスして鑑賞。特にあの呪いのビデオの内容がどういうことになっているんだろうかと。というより呪いのビデオ以外の部分は割とどうでも良い感じで観ましたよ。


で感想。とりあえず、リメイクとしては上手くいっているんじゃないかと。日本版が持つ不吉な感じを、アメリカの文化圏に移し替えながら、上手く表現してたと思います。肝心の呪いのビデオは、日本版=不吉、とするなら、ハリウッド版=ゴシック風味、なってるところが新鮮でしたね。ハシゴが唐突に出てくるので「?」とも思いましたが、向こうではハシゴは不吉なものとされているらしい。この辺の文化の違いがなかなか興味深いですな。


ただ、怖いか怖くないか、といわれると、これは日本版を先に観ているだけに、正直怖くはなかった。やはりこのお話の最も恐ろしいところは、ラストに明かされる「ビデオの呪いから逃れる方法」そのものなので、ネタが割れた状態で観ると、ラストに至る過程のすべてが「鑑賞」というよりは「確認」になってしまって、これはもうどうしようもないというか、なんというか、どうもすんまへん。まあ以前懸念していたような、パツキンのCG貞子がゲラゲラ笑いながら飛んできて目から怪光線をピー、などという頭を抱える内容にはなってなかったのでホッとしたであります。キチンとした正調リメイクでした。