カジノロワイヤルの手帖

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じゃりん子チエ

じゃりン子チエ 劇場版 [DVD]
監督:なんと高畑勲いやあテレビ版(第一期のほう)は本放送時に毎週観てましたよ。面白かったなあ。あの主題歌とタイトルバックは今思い返すと傑作だったなあ。メロといい詞といいデザインといい、作品の雰囲気をあの短いオープニングにギュッと凝縮していて見事でした。テレビ版の総監督も実は高畑勲。そうか、あのクオリティの高さの理由はここに。かどうかは判らないので映画版を観てみました。


実は公開一年後くらいにテレビで一度観て、面白かった印象がありますが、当時はチエちゃんと同じくらいの歳だったので記憶がちょっとあやふや。で、いま現在テツと同じくらいの歳になったのでどんな印象の違いが出てくるか、と思いながら観ましたが、ああ、変わらん。印象変わらん。昔の自分が観ても面白かったですが、今の自分がみてもオモロい。


チエ:中山千夏、テツ:西川のりお、という声の配役はもはや代替不能なまでにフィックスされた神のキャスティングテツの西川のりおは慣れないせいかまだ台詞がちょっと堅いものの、やはりだれがどう聴いても「あ、テツや」としか思えないハマり方。その他、映画版限定で吉本興行の芸人が脇役で大挙して出演。これがまた、ハマるところもそうでないところもひっくるめていい味。小鉄(ネコ)の声を西川きよし、アントニオ(これもネコ)の声を横山やすしが演じているのも今となっては貴重。いや、ハマってるかどうかはさておいて貴重。


お話は「大阪・下町・人情喜劇」でだいたい説明可能。あとはキーワードとして「ホルモン焼き」「うちは日本一○○な少女や」を添えておけば完璧。チエもテツもけっこうトンデモないキャラ(小学生の娘が働いてゴロツキの親を養う、という話)なので観ている間はシットコムとしてひたすらにオカシイのですが、逆に彼らもやはり普通の子供であり、普通の親である一面を見せる瞬間には一抹のペーソスが漂います。このへんのペーソスの垂らし方は加減は高畑勲印のような気が。いやきっとそうだ。憶測ですが。


とくにドカンと感動の涙があるわけでもなく、爆笑に次ぐ爆笑、というわけでもないのですが、このおかしな人たちと、おかしな日常をイキイキと描いているところがええのです。人情喜劇。ええなあ。ええやないの。と思わせる隠れた名作であります。テレビ版のほうも(第一期に限り)名作。最近は夕方とかに再放送されてんのかな。ないか。まあ機会があればぜひ。