カジノロワイヤルの手帖

banの映画感想&小説漫画音楽路上日常雑感。

シン・シティ

シン・シティ スタンダード・エディション [DVD]
録画物をチェック。アメコミの雰囲気を極限まで追求したスタイリッシュな絵作り。「罪の街」を舞台にしたハードボイルド。というわけでわくわく度は最近になく高い数値をマークと言う状態で観ましたが、その分観終わったあとのガッカリ度との落差は筆舌に尽くしがたいものがあり、もうなんと書けばいいのかわからないので書きません。以上よろしくお願い致します。


で終わるのもなんなのでムリヤリ書くと、カッコいいのはいいんですけど、なんというかこう、コクとキレがないというか。コク味はおもに登場人物のウエットな心情部分=ハードボイルドの中核をなすところですが、アメコミを読んでいるようなテンポで話がポンポンポンポン進んでいくので、話のコク味を噛み締めて味わう時間的余裕とか余韻とか、そういうものがスパっと切り落とされてて、ゆっくり浸っていたいのに時間が来ると強制的に上がらされると言う刑務所の風呂のような余裕の無いテンポ。オムニバスとして3本の話が入ってますが、3本も入れずに1本に絞ってその1本をコク味たっぷりに観たかったであります。ブルース・ウィリスの話なんか掘り下げ方によっては男泣きサンダーが炸裂必至のネタなのに惜しい。ただし結末は納得いきませんでしたが。


キレはアクションやカッティングのキレ。アクション、あんまり凄くない。ビシと決めてほしいカットであんまり決まってない。というところでこの部分が個人的に一番のガッカリ値をマーク。唯一の救いはデヴォン青木の殺人機械ミホちゃん。にこりともせず日本刀をぶんぶん振り回しててキャラガン立ち。素晴らしい。


絵作りに関しては、アメコミテイストを実写で忠実に再現すると言う史上初に近い試みで、カット単位で観てる分にはこれがまたえらいことカッコいいんですが、それがシーンとして連なりになった時に、映画として面白くなり損ねた感じです。惜しいのう。続編でそのへんの改善を期待。いやあまり期待しない方がいいのか。改善しなくていいです。どっちなんだ。終わります。