カジノロワイヤルの手帖

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殺人魚フライング・キラー

殺人魚フライングキラー [DVD]
なんだこのDVDのジャケは!スカしおって。もっとアレだろう。この手の映画のパッケージはもっと下世話にせねばいかんだろう。そこんところ判っておるのかね君!それはともかく、監督:ジェームズ・キャメロン、出演:ランス・ヘンリクセン。いまや山本晋也並みに映画を撮らない映画監督となってしまったキャメロンちゃんの商業デビュー作です。もしやDVDのジャケは監督がキャメロンちゃんという理由でこのデザインなのでしょうか。まったく。


さて海辺のリゾート地で突如大量発生した空飛ぶピラニア。主人公のダイバーはいちはやく危機を察してホテルの支配人に即刻海を封鎖するように訴えかけますが「そんなことしたら大損害ですがな」の一言で訴えは却下。おかげで無駄な人死にが増えるのであった。というジョーズ』の亜流の子孫のなれの果てがダビングされたような映画。冒頭から、行き場がないので退屈しのぎにスキューバダイビングしながら沈没船の中で海中ファックをキメようとするバカのサイクルヒットみたいなカップルが登場しますが、コトを始めたとたんに殺人魚の大群に襲われ画面は真っ赤になり「ホラー映画に出てきてHなコトに及ぶカップルは必ず殺される」というB級ホラー鉄の掟を守っていて好感がもてます。以後、殺人魚が本格的に暴れ始めるまでは、リゾートホテルでのどうでもいいコメディ風味の人間模様がダラダラと続き、ああ、オイラはいま現在ゆるーいB級ホラーを観ているのだなあというたしかな手応えに浸れます。たまにほとんど意味もなくお色気シーンが入ってくるのもツボを押さえていてよろしい。そんななか、懐石料理のごとく小出しにされてゆく殺人魚の恐怖!襲われる人はパタパタパタタと軽快に羽ばたいて飛んでくる殺人魚になす術も無く殺されてゆきます。「こりゃあかん」と思った主人公とその浮気相手は、殺人魚の巣窟である沈没船に時限爆弾を仕掛けて脱出しようとしますが、もう少しのところで殺人魚が襲ってきたためうっかり沈没船の一室に追い込まれてしまいます。迫り来る爆破時間。脱出経路は?と、ここからが微妙に面白くなるところで、『タイタニック』や『アビス』もかくやという水中サスペンスが展開します。逆にいうとこれら名作の海中シーンのサスペンスは遠くこの映画を胚胎としている、と言えなくもないですが、言ってどうなるというものでもありません。


なお、ランス・ヘンリクセンは主人公のダイバーの夫で警察官として登場。大活躍してくれるのか?と思いきや、妻に浮気されて凹んだりしている以外はストーリーの本筋の斜め上あたりをヘリでくるくる旋回しているだけなのであまりにもガッカリでした。予算がなかったのでジェームズ・キャメロンと一緒に二人でブツクサ言いながら殺人魚のプロップを作っていたという逸話もあるくらいなのに、この扱いはあんまりです。ヘンリクセンのファンの方は無理して観なくても良し!以上、よろしくお願い致します。