綾辻行人の館シリーズは、ホームラン、スリーベース、ツーベース、ヒット、バント、三振など色々揃ってますが、基本的に好きな部類なので全部読んでます。で、久方ぶりの新作が文庫で出たので脊髄反射で購入したのですが、分厚い文庫版で4巻という超特大ボリューム。帯には「館シリーズ最高の到達点」とあってもりもり高まる期待。こりゃーたっぷりとミステリの世界に浸れるわいウヒヒ、と思って5日くらいかけて読了。
判定:遅延行為によるイエローカード
とにかくねえ、最初から判ってるんですが長いんですよ。でも長さにあまり必然性がない。同じプロットとトリックで尺を半分に出来るんじゃないかこれ。逆に言うとこのプロット&トリックでこの長さを読ませ切ってそれに見合うだけの納得感が最後に得られるかと言うと、いやちょっとソレは…と眉間に寄るたてジワ。トリックも限りなくアンフェアに近くてイエローカード二枚目が出そうになりますが、しかし舞台と背景は最近になくゴシックホラーしてて、その面白さで最後まで読んでしまったのでやっぱ二枚目は引っ込めておこう。
あと、これまでの館シリーズを全部読んでないとラストはほぼ虚無なのでこれから読む人は要注意です。