カジノロワイヤルの手帖

banの映画感想&小説漫画音楽路上日常雑感。

ターミネーター3

ターミネーター 3 プレミアム・エディション [DVD]
なんで今頃、と言う突っ込みはスルーします。やはり見とかないと、という義務感と、どういう風に話に落とし前をつけるのか、という期待、噂に聞いていた「十数年後のジョン・コナー」のダメっぷりへの心配などなど、いろいろ交錯する感情に複雑な気持ちになりつつ再生ボタンをピッ。(以下華々しくネタバレているのでご注意ください。ちょっと余白)










感想1)
一言でいうと、面白く観ました。基本的には。手堅い作りの娯楽作でしたよ。尺が2時間切っていることもあり、ほぼノンストップのジェットコースタームービー感覚。たるみなし。アクション連発。ちょっぴりギャグもあるでよ。通常の映画であれば十分納得できる内容でしょう。ただし、これが3部作の完結編でなければですが…。


感想2)
噂に聞いていたジョン・コナー役のミスキャストっぷりですが、コレがこの映画最大のエラーかと。前作のエドワード・ファーロング現在のような体たらくなのでそのまま起用できなかったのは判りますが、もちょっとなんとかならんかったのか。だいたい女ターミネーター役のほうは一万人のオーディションを経て選んだといいますが、一万人のオーディションをするべきだったのはジョン・コナー役の方じゃなかったのかと言いたい。前作のあの少女マンガの主人公のような凛々しい少年っぷりはどこへいったのか。これじゃタダのニートじゃないか。とてもこいつに世界の未来は預けられん!と文句のひとつもブツクサ出るというものですが、それも観ているうちに慣れてきて、きっと最後では納得のリーダーシップを発揮してくれるのだろう…という期待は持たないのが鑑賞のコツです。


感想3)
ラストはなんというか、その、まるで救いがありません。なんとしても止めなくてはいけなかったハズの「審判の日」が実際に起こってしまい、以後機械対人間の全面戦争が起こるのはもう確定、という、草葉の陰のサラ・コナーが怒りのあまり蘇って肋骨を叩き折りに来そうな結末。これまでの苦労はいったいなんだったの?という「2」までのファンが脱力の余り幽体離脱を起こしそうな展開にはアゼンとしました。結局それかい!それを止めるために必死になんとかするのがこのシリーズのキモじゃなかったのかい!そりゃ実際に未来をキッチリ変えてしまった場合、未来から来るターミネーターの存在はどうなってまうの?などのタイムパラドックスは発生しそうなのでいつか「審判の日」が来るのは確定事項なのかも知れませんが、しかしそれをなんとか回避する、という結末の方がまだ望みがあったような気がしますよう。


感想4)
新たな敵の女ターミネーターは、確かに機能的には大きくバージョンアップしてましたが、インパクトとしてはver2.0がver2.1になったくらいのもんなので「ほほう」と思いつつも、乳の大きさを自由に変えられるのでこれは便利だと思いました。


まとめ)
物語の意外性、アクションの盛り上がりとエモーションの盛り上がりのせめぎ合い、度肝を抜かれる敵役、展開の緩急のみごとさ、全体的なスケールの大きさ…やはり「2」は偉大だったと思いました。おわり。