カジノロワイヤルの手帖

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正義のシンボル コンドールマン

正義のシンボル コンドールマン 1 [VHS]
先般亡くなられた川内康範氏原作の特撮ヒーローもの。こういうレアな番組が毎週CSで見られるとはのう。とリモコン片手に恍惚とする36歳の夏ですが、あの強烈だった「レインボーマン」に比べてややインパクトに欠けるのが惜しい。コンドールマン誕生のくだりも、2週かけてじっくり描いていたレインボーマンにくらべ、あっさりとコンドールマンになってしまうあたりが薄口というか、いや普通に考えるとレインボーマンが濃過ぎなのか。主人公の兄ちゃんも男前ですが、総じて「うたのおにいさん」という感じのさわやか風情なのでいまひとつ印象が薄いです。


反して悪役の方が凄いことになっていて、「♪命をかける価値もない♪それほど汚れたニッポンの♪人の心が産み出した〜」と主題歌にあるように(すごい歌詞だ)、汚れた人心があつまって自然に発生したというモンスターどもが「ゼニクレージー」「ゴミゴン」「ヘドロンガー」と名前造形ともにインパクト抜群。ゼニクレージーは全身金ピカのタイツに金貨の形のカブリモノですし、ゴミゴンはダスキンのモップを絵の具で染め倒したようなやつ。こうした社会風刺のピリッと効いたモンスターたちが結託し、砂糖を買い占めて日本全国を砂糖不足に叩き落とし主婦はパニック子供は菓子が買えなくて泣く。という実に堅い方法で悪事を働いたりしますが、悪の総本部はさながらコスプレパーティ中のその筋の方々といった感じなのでその落差に大脳がクラクラします。そしてそういう風刺の効いたモンスターの中に「バーベQ」なんて名前のやつが混じっているので油断なりません。なんだバーベQって。当時はなにか社会問題だったのか。しかもこのバーベQ、顔はモンスターですがボディはカジュアルなスーツをビシっと着こなしておりダンディという強者です。今後の活躍に期待したいところです。


とにかく悪役のインパクトが凄過ぎてご本尊のコンドールマンがどうでもいい存在になっているという珍しい番組。今後もウォッチンしたいと思います。