カジノロワイヤルの手帖

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「天狗の落し文」筒井康隆

天狗の落し文 (新潮文庫)
筒井康隆は好きな作家で学生の頃は本棚の一列が真っ赤(文庫の背表紙が赤いので)になるくらい買い求めて読んでましたが、札幌に引っ越す時にお気に入りだけ選んであとは実家に置いて来てしまいました。思い返すともったいないことを。でこの本。断片的なアイディアやショート・ショート、警句や洒落や冗談、あるいはヨタが365本詰まったアイディア・ノートで、ヒマなときにぺらりとめくって拾い読みする、という最近長い読書が疲れるオイラにはまことにピッタリな本。内容は雑多なので当たりもあればよく判らんものもありますが、そこはそれ天才・筒井なので面白いです。天才の頭の中をちょっと覗いた気分になれます。


しかしこの本の最大の売りは、書かれてあるネタがすべて著作権フリー、盗作可であるということ。いやあ太っ腹だ、と表面的には見えますが、逆に「ネタにできるもんならしてみやがれ」と言う挑発というか、天才の自信の発露とも言えます。


あと、最近筒井康隆WEB日記が始まったのでアンテナに入れときました。ただし更新は不定期だし、コーディングの凝ったサイト(なんと縦書き!)なので更新頻度は少なめっぽいですね。
笑犬楼大通り