カジノロワイヤルの手帖

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28日後…

28日後... (特別編) [DVD]
監督:ダニー・ボイル。この監督さんは一時期好きだったんですがここしばらく遠ざかってました。『シャロウ・グレイブ』『トレインスポッティング』『普通じゃない』どれも凄く面白かったし、映像もハッとするところが多くて、公開当時は「なんか新しいぞ」とニュータイプの出現にときめいたものです。その後、ザ・ビーチ』以降なんとなく自分の中からフェードアウトしてしまったのですが、そのダニー・ボイルがホラーを!しかもゾンビものを!というワケで公開当時は久しぶりにオイラの映画中枢にピピッと来るモノがあったのですが何故かスルー。たぶん「映画ずれ」してて劇場から足が遠ざかってた頃の事でしょう。で、こたび同居人がDVDを借りて来たので早速鑑賞鑑賞。


映画はもうなんというか、謎のウイルスで人間凶暴化→あっという間にみな感染→街は廃墟に→生き残った人々はショッピングセンターの食料品で食いつなぎながら助けを求めて右往左往。という実に古典に沿った作りになっており、とくにショッピングセンターのくだりはあの『ゾンビ』を彷彿とさせるものがあって既存のゾンビファンにも好アピール。厳密に言うとこの映画のモンスターはいわゆるゾンビ=リビングデッドではなく、何らかの菌に感染して凶暴化した生きている人間で、生きているからピンピン走り回ったり噛み付いてきたりその間に景気よく血のゲロを吐いたりとすこぶる元気がよろしい。♪やーつらはみんなぁいーきているぅいきーているからゲロもはく。ゾンビと言えばこの映画以前はウーラウーラとさまよい歩く、いわゆる「ゾンビ歩き」が主流でしたが、なにせ生きてるからイキがいい。というワケで全力で追いかけてくる感染者の皆様を殺したり死なせたりトドメをさしたりしながら逃げなくてはいけない、というこのジャンルにしてはアクション性の高い場面が連発します。ただ動きの速いアクションシーンになると急に画面がコマ落としのようにフリッカーし始めるのでそれはちょっとどうかと思った。


その反面、廃墟となったロンドンを主人公がさまよい歩くあたりの、ハッとするような終末美はやはり「ダニー・ボイルここにあり」的な作家性を保っており、やっぱこの人ハリウッドを見捨ててよかった。本当によかった。と思わせます。


映画は終盤、主人公たちが英軍の生き残り部隊に助けられてからあらぬ方向に走ってしまい、人間同士のみにくーいファイティンが始まってしまうあたりがゾンビ映画としては減点対象ですが、テンポの良さで最後まで突っ走るので観終わったあとの「面白かった」感は満足度高しです。アート・フィルムとB級ホラー映画のハイブリッドという便所スリッパにご飯を盛るような取り合わせの悪さをこの映画はなかなかのレベルでクリアしています。やっぱりダニー・ボイルはオイラ好みの監督でした。以後もがんばれボイルちゃん!応援してます。