カジノロワイヤルの手帖

banの映画感想&小説漫画音楽路上日常雑感。

杉浦日向子ブーム

ここ一年くらい自分の中に杉浦日向子ブームが来ていて、先日もamazonにて買い残していたちくま文庫の著作を買いあさって読んだのですが、やはり全作品中でも際立って良いのが「百物語」「百日紅」「合葬」の三作品。「百物語」は江戸時代の雰囲気を十分に味わいながら、日本独特の怪の世界に浸れるし、「百日紅」は葛飾北斎親娘を主人公にしながら江戸の日々の暮らしや風俗を描いて興味深く、また怪異もふんだんに起こるので怪談としても面白いし、『合葬』は彰義隊というマイナーな幕末の佐幕組織の存在を教えてくれた上、戦いの中で死んでゆく若者への惜別の情が丹念に描かれていて非常によかった。…いやあ惜しい人を亡くしたなあ、と思ってたら「ユリイカ」で杉浦日向子の特集号が出る(出た)らしい。これはもしかして日向子ブームの前兆か?くるのか日向子が。まあなりゆきを見守りつつ自分は今日も「二つ枕」なんぞを読んでいるのでした。

百物語 (新潮文庫)

百物語 (新潮文庫)

百日紅 (上) (ちくま文庫)

百日紅 (上) (ちくま文庫)

百日紅 (下) (ちくま文庫)

百日紅 (下) (ちくま文庫)

合葬 (ちくま文庫)

合葬 (ちくま文庫)

二つ枕 (ちくま文庫)

二つ枕 (ちくま文庫)