カジノロワイヤルの手帖

banの映画感想&小説漫画音楽路上日常雑感。

レッドクリフ Part I

レッドクリフ Part1 オリジナル・サウンドトラック
監督:ジョン・鳩・ウー。えーこれ三国無双の映画化?え違うの?すいません三国志における「赤壁の戦い」というエピソードの映画化だそうです。三国志について私が持っている主な知識は下記の通り。


1)大昔の中国の話。
2)沢山の将軍や武将や軍師が出てくる。
3)横山光輝が漫画化した。「こやつめハハハ」は名台詞として名高い。
4)とにかくやたらシミュレーションゲームの題材にされてた。果ては「三国無双」という極北のゲームにもなった。
5)一部女子の独特な嗜好の対象になっている。


…このようなカラスの脳並みのゆとり知識しか持ち合わせていないオイラですが、監督がジョン・ウーでバリバリのアクションシーンがありしかも予告で鳩が飛んでたとあっては観ない訳にはいきますまい。というわけで昨日観てきたのですが、三連休最終日とあって劇場は大変な混雑でした。映画は二部構成の前編でしたので、最終的な評価は後半を観るまで保留したいと思いますが、感じたことをつらつらとここにメモ。



・登場人物が半端でなく多く、また名前も覚えづらそうなので予習しなくてはと思いつつもメンド臭くて劇場で手にしたチラシで予備知識をかっ込んだのですが、映画の冒頭でそのへんをNHK大河ドラマみたいなノリで丁寧に解説してくれるのと、オイラのような三国志ビギナーに配慮してか劇中は人物名のテロップが入りまくるのでその点はなんとかなりました。コツとしては、曹操を「志村喬」、孔明を「金城武」、周瑜を「トニー・レオン」、孫権を「痩せたピエール瀧」というように自分の把握できる人名に置き換えて覚えるコトです。


すいませんウー先生、最初の30分で一部寝てしまいました。


・アクションシーンはやたら手数が掛かってて燃える要素満点で、殺陣の組み立てもカッコ良いんですが、なんとなく物足りない。なんでだろう、と考えるにやっぱり劉備孫権側のエエモん側に鬼神のように強いヒーローが集結している反面、ワルもんの曹操側には彼らに拮抗するだけのキャラが立った悪役がおらず、結果としてやたら強い一部の武将がザコ敵を一人で何十人もなぎ払うという、やっぱりこれ「三国無双」じゃないの?状態に陥ってしまってやや大味ではないかと。いや一個一個のアクションの見栄はやたら切れてるんですけどね。心情的にこう燃え上がらないというか、やっぱり魅力的な敵役あってこそアクションシーンも燃えるのではないかと。


鳩が出てきたので大いに得心しました。というか終盤は鳩大フィーチャー。「クルックー」と鳴き声まで入っています。もうこれだけでウー先生のファンとしてはなんとなく気が済んだ感が。


金城武孔明は真面目な中にもとぼけた味があって良かったです。トニー・レオン周瑜は常に目がウルウルしており、孔明周瑜が並んで戦術を練る場面では華麗なカメラワークで二人だけのワールドを縦横無尽にいろいろな角度から撮っており、一部独特の嗜好の女子にはかなりピンと来るシーンかと思われます。


・劇場ではエンドロールの後にPart IIの予告が流れていましたが、ものすごく壮大なスペクタクルになっている反面、今回感じたようなむず痒さをまた感じるのでは、という懸念もありました。あと劇場が混んでたので座席が前の方だったのですが、アクションシーンのカット割りがえらいこと細かくなっているのでディティールに目が追いつかず大変でしたよ。できれば座席は余裕を持って後ろの方に確保したい映画です。後半は来年4月に公開とのことで、あまり間をおかずに公開してくれるのはナイスと言えましょう。