カジノロワイヤルの手帖

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RONIN

RONIN [DVD]
監督:ジョン・フランケンハイマー。主演:ロバート・デ・ニーロジャン・レノ久しぶりに再鑑賞。元軍人、元CIA、元IRAなどのはぐれ仕事人がはぐれ大仕事のためにはぐれ集結。仕えるべき主を失ったはぐれ者「ローニン」たちによる即席チームが狙うのはある人物が肌身離さず持ち歩いている銀色のアタッシェ・ケース。その強奪のためにチームはそれぞれのプロ技術を活かして綿密な作戦を練り実行に移しますが…。そこは好事魔多し。というお話。


渋いアクション映画にこの人アリと謳われた、というか今自分が勝手に謳ったのですがジョン・フランケンハイマー監督の晩年の傑作。この映画、公開時に劇場で見てビビりましたが、とにかくカーアクションが凄まじい。前半のニースにおけるせっまい路地(しかも両側に路駐の車だらけ)を猛スピードで駆け抜けるシーン。日本で例えると坂の多い小樽の路地を時速80kmでぶっ飛ばすようなもんでしょうか?あと後半のパリ市内ハイウェイを逆走しながらのカーチェイス。これが凄い。『マトリックス・リローデッド』の高速逆走バイクアクションも凄かったですが、こちらは合成その他小細工ナシのガチ撮影。タダでさえ混んでいるパリのハイウェイをハイスピードで逆走させるという思いつきもさることながら、それを手に汗握るアクションに仕上げた手腕が素晴らしい。次々と迫ってくる対向車がいちいちパッシングしてくるあたりも芸コマで泣けます。そしてこの逆走が巻き起こす西部警察もかくやの大お車クラッシュ大会。このカーチェイスシーンだけでも一見の価値ありです。個人的には自分の映画体験史上のベスト3に入ります。(ちなみに他の二本は『フレンチ・コネクション』と『マトリックス・リローデッド』)


というと何だかドカーンドカーンとハデに爆発が起こりデ・ニーロが二丁拳銃で横っ飛びしながらハトも飛ぶ、みたいなド派手なアクション大作に思えてきますがそこは渋いアクション映画にこの人アリとさっき自分が謳ったジョン・フランケンハイマー監督ですからあくまで渋さを貫きます。アタッシェ・ケース強奪までのチームの綿密なリサーチ、作戦決行は淡々と描きつつも血湧き肉踊るものがありますし、その後の展開も仁義なき仲間割れ大会になってゆく中、同じプロ同士として腕を認め合ってゆくデ・ニーロとジャン・レノの渋い友情も「漢の世界」という感じでいぶし銀スパークです。


劇中、デ・ニーロ&ジャン・レノ組が手負いになってかくまわれた家で、主人が何故か日本趣味に凝っており、なにげに部屋の中に石灯籠がボッ立っていたり、戦国時代のジオラマを作りながら赤穂浪士について語ったりと別な意味で緊張が走りますが、ここで語られる四十七士の逸話に「仇を討つという目的のために彼らは三年間身分を隠し、中には乱心したフリをしてまで目的をカモフラージュした者もいた」というのが出てきます。これが実はこの映画の隠れたミソになっているので石灯籠ボッ立ちに惑わされずよく聴いておいていただきたい。


あと一部好事家にのみ有益な情報として、共演にショーン・ビーンジョナサン・プライス、ミシェル・ロンデールが顔を揃えているということで、歴代の007の悪役をやった人が何故か3人まで揃っているという偶然?狙ったのか?ミシェル・ロンデールは年取ったせいで首から上の体毛がことごとく濃くなっており、それをまた伸ばしているもんだからまるでシーズー犬のようでしたよ。


それはともかく。激渋の傑作なのでその手の映画がお好きな方には強くおススメしたい一本。フランケンハイマー監督ももう亡くなられてしまわれましたが、他にも『フレンチ・コネクション2』『ブラック・サンデー』など渋い傑作アクションを残しておられるのでこちらも必見です。