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カジノロワイヤルの手帖

banのスットコドッコイ映画感想&小説漫画音楽路上日常雑感。

探偵マイク・ハマー/俺が掟だ!

探偵マイク・ハマー 俺が掟だ! [VHS]
プロジェクト「VHSに録画してて今まで観てなかった映画を観尽くすぜ」巻の壱。監督:リチャード・T・ヘフロン、主演:アーマンド・アサンテ原作:ミッキー・スピレーンという訳でアメリカン・ハードボイルドの名作をワーナー・ブラザーズが映画化して日本でも大々的に公開され、その後日曜映画劇場でも放送されて当時の中学生男子を重度の中二病に罹患させた映画ですが、allcinemaで見る限りは未だにDVD化されてないというのにビックリ。そりゃまあ映画としてはB級の標本みたいな作品ですが、黙殺される理由も特に無いと思うんだけどなあ…。それだけ忘れ去られてる映画ってことですかね。ミッキー・スピレーンも草葉の陰でしくしく忍び泣きでしょう。


映画の方ですが、アーマンド・アサンテ演じるところの私立探偵マイク・ハマーベトナム帰り)が、やはり探偵でベトナム帰りの親友ジャックの死の真実をハードボイルド・タッチで探るという映画ですが、脚本があのB級魂の伝道者ラリー・コーエンなのでそこは判ってるな!という感じで映画は進みます。私立探偵マイク!女つまみ食い!ベトナム帰り!美人秘書!殺人!ニューヨークロケ!ガソリンの代わりに酒とナフタレンで危機突破!なぜかインポ治療!セックス療法!そこの院長がバーバラ・カレラボカシ(モザイクに非ず)がバンバン入るセックス療法の現場!そこで変態がハッスル殺人!謎に迫ってそうで実はそうでもないマイク!CIAの陰謀!(またか)バーバラ・カレラの脱ぎっぷりや良し!変態大暴走!CIAも大暴走!拷問!そして何故かクライマックスはニューヨーク郊外でランボー』みたいなゲリラ戦!というバイオレンスとエロスの波状攻撃で観るものを飽きさせません。が、ストーリーを冷静に追うと辻褄が合わないところがたいそう出てくるので右脳ではなく左脳主力で鑑賞される事をおススメします。レンタルビデオ屋のラインナップがもはやDVDオンリーになった今では鑑賞は難しいかも知れませんが…。


ミッキー・スピレーンの「マイク・ハマー」シリーズは結構知名度のあるタイトルだと思うのですが、映画化がコレ一本で終了したところを見ると当時もそんなに興行成績は振るわなかったのでしょう。ワーナーが製作していながらこの炸裂するB級魂と、主演のアーマンド・アサンテがチンチクリンで走るときもガニマタというアル・パチーノになれなかったよ」状態のアカ抜けなさがもっぱらその原因かも知れません。バーバラ・カレラも物凄いイキオイで脱いでて濡れ場もしっぽりなのですが…。


しかし興行成績が振るわなかったとしても、話がどれだけトンチキであっても、B級魂溢れるこの映画は観ていて非常に痛快なものがあります。ビル・コンティによる音楽が爆裂にカッコいい!そしてタイトルバックのデザインもアーリー80's独特のチープさに溢れていて素晴らしい。またニューヨーク・ロケによる撮影も当時の時代の空気を切り取っていてとても印象深いです(これ、VHSで観たから余計そう思うのかも知れません。DVDのクリアな映像だとこの時代性というのはかなり目減りしていたのではないでしょうか)。アクションもB級独特の気合いで何とかしている感じがありありで非常に好感が持てます。


しかし…エロスがヌチョヌチョでボカシもバンバンというこの映画が日曜洋画劇場でかかっていた(とうぜん昼間の再放送もアリ)というのはいい時代だったなあ…と遠い目で感無量です。今じゃ考えられませんね。中学二年生当時、真っ昼間に友達の家で再放送を観たのを今もアリアリと覚えていますが、ああ、当時ですら今と比べるとおおらかな時代だったんだな…と思わず遠い目です。ともあれいろいろB級ならではの荒っぽさが炸裂していますが、それだけに頭をエンプティにして観られるナイスな娯楽映画。観る機会に恵まれた方は是非。