カジノロワイヤルの手帖

banのスットコドッコイ映画感想&小説漫画音楽路上日常雑感。

チョコレート・ファイター

監督:プラッチャヤー・ピンゲーオ主演:ジージャー。あの全世界のアクション映画ファンを戦慄させた『マッハ!』(!マークの数省略)プラッチャヤー・ピンゲーオ監督がまた凄い逸材を発見育成したぜ、という触れ込みで今回登場のジージャーちゃん。小柄で華奢で幼い永作博美みたいな印象ですが、そのアクションがもう大変な事になっておりましたのでここに慎んでご報告させていただきます。いかに訓練を積んでいるとはいえ、どう見てもフルコンタクトにしか見えないアクションをもの凄いキレで発揮。どこの格闘ゲームですか?というようなブッ飛んだ蹴りをキズだらけになりながら魅せます。しかも怪鳥音入り!本人のポテンシャルも凄いのですが、彼女をプロデュースすべく壮絶な場面を用意するアクション班の鬼っぷりも素晴らしい。振り付け、舞台、往年のジャッキー・チェンもかくやというトリッキーなアクションのアイディア。ことに後半の雑居ビルで見せる高所アクションが凄まじく、ビルの三階から落ちてコンクリの庇にぶつかりアスファルトに叩き付けられるという「これは痛いよね」「死ぬよね」「というか死んでるんじゃ?」というような無茶なスタントがビシバシ出現。巻末のメイキングを観るとキチンと安全に配慮しての撮影が行われていると思われますが、このメイキング、シャレになってないところはカットしてるんじゃないかと思わざるを得ない。それほどに凄まじいアクションの中心にあのちっこい女の子がいるという。…これはもしかしたら世界的な(それこそブルース・リージャッキー・チェンジェット・リーのような)大アクション・スターの登場を我々は目の当たりにしているのかも知れません。そしてその逸材を最大限に活かして壮絶なアクション映画を作るこの製作チームもまた世界に羽ばたく存在かもしれません。


この製作チームの凄いところは、本来アクション・スターではない阿部寛にアクションをさせてもバッチリ決めさせるところで、後半の日本刀アクションのキレキレ加減はここしばらく観た事が無いレベル。阿部寛はジージャーの実の父親役ですが日本の映画やテレビで観るよりもミョーにかっこいいです。なんでだ。なんかの魔法か。


お話の方は、まあ、その、あれだ、暗く悲しく悲惨で救いに乏しいというのはまあともかくとして、まとめ方が良く言えばざっくり、悪く言えばテキトーという状態なのでラストシーンをはじめとした様々な場面で頭脳に?マークが飛び交います。最初のシーンなんざ見る映画間違えたのかと思いました。しかしもういいじゃないかそんなことは!可憐で華奢な少女が並みのアクション映画の比ではないハードなシーンにさらされ、それに全力で応えているという、その姿を観るだけで細けえ事はいいんだよ!という気になります。とにかくアクション映画ファンはこの逸材の誕生を見逃さぬよう!必見です。