カジノロワイヤルの手帖

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「スティール・ボール・ラン」(23)(24)荒木飛呂彦

STEEL BALL RUN スティール・ボール・ラン 24 (ジャンプコミックス)
STEEL BALL RUN スティール・ボール・ラン 23 (ジャンプコミックス)
長かった大統領との戦い、そしてレースがついに終結…!近年これほど先が気になる漫画は稀でしたよ。しかし最終巻となる24巻のページをめくるにつれ、残されたページの量を確認しながら、もう終わってしまうのか、まだ続いて欲しかった…でもやっぱり結末が観たい!という相反する感情を抱きながら読み進めたであります。


結末は詳しく書きませんが、話の落とし所としてはほぼ完璧。非常に渋い男泣きの世界。単純明快ではない、複雑な感情の入り混じる味わい深い結末。そして、あの広げまくられた風呂敷が(若干ほころびはあるにしても)きちんと折りたたまれている見事さ。読後にはアメリカン・ニューシネマを観た後のようなほろ苦い余韻が残ります。嘆息…。もう続きが読めないなんて…読めない…あのキャラがその後どうなったかとか読みたいのに…あのキャラも…。


そう!唯一の不満は、エピローグがこれでもまだ短いこと!あのキャラやあのキャラがどんなふうにゴールしたのか。途中でリタイヤしちゃったあの方はその後どうなすっているのか。レースを終えた皆様はその後どのような人生を歩まれたのか。そのへんがもっと読みたかった!登場時は長い時間かけて丁寧に描かれ、途中のレースでも長きにわたって姿を見せていた愛着あるキャラたちだけに、そのあたりがすっ飛ばされているのは非常に物足りない。もう一話分長くたって全然問題なかったよ!


というような不満はあるものの、それは傑作であるがゆえに出てくる欲でもあります。誰だって美味しいゴハンはオカワリしたい。不味いメシならそんなことは決して思わない。そしてSBRは完結しましたが、すぐまたジョジョリオン」という美味しそうなオカワリが用意されているというこの幸せ。まだ連載は始まったばかりですが、単行本派のオイラは第一巻の刊行を指折り待ちたいと思います。


ウルトラジャンプ 2011年 06月号 [雑誌]

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