カジノロワイヤルの手帖

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ジョジョの奇妙な冒険(30)(31)荒木飛呂彦

というわけで第5部がようやく文庫化スタートで早速買ってきました。個人的に興味深いのが30巻のあとがき。表現の自由と出版業界の「自主規制」の間で思い悩む作者の心情がとてもストレートに記されております。文庫版5部完結時のあとがきにて、具体的にどういった描写がアウトとされたかを暴露するという予告もあり、少年漫画における自主規制という名のブラックボックスの一角が見られるのではないかと今から興味津々です。
(そういえばこの漫画の連載中に例の神戸の事件が起こったりしてますね。この事件の前と後とで、描写に何か変化があったのかなかったのか、これも個人的には気になります。)
結果的に、出版社VS作者の軋轢の構図をそのまま漫画の中の登場人物に投影して、創作のパワーに変えてしまったという作者の底力は凄いというか、表現者として肝が座っていて凄い。…という固い話は抜きにしてもこの漫画はめっぽう面白い。文庫の次回発刊が待ち遠しいであります。