カジノロワイヤルの手帖

banの映画感想&小説漫画音楽路上日常雑感。

酒と記憶

世間では剛メンバーの泥酔全裸事件が大きな驚きと小さなトホホ感、それに微妙な気の毒感をもって報じられております。まあ古来より我が国においては酒は英語で表現するところのクレイジーウォーターなんて呼ばれてますし、飲み過ぎはこわいのうの一言で片付けたいところですが、そうはいかないのがつらい。


これは体験がないと分からないかも知れませんが、酔って記憶が無くなっている間というのは、ホントにもうキレイスッパリとその間の記憶が欠落しているものでして、深酒して翌朝目が覚め、意識を取り戻したときの恐怖というものはそれはもう筆舌に尽くしがたい。これが例えば目覚めたのがバーのカウンターだった、とかならまだマシなんですが、ちゃんと家に帰って服も着替えている。しかし記憶は昨日の三次会あたりで途切れている。となった場合、自分は脳の一部がショートしたまま公の場で行動して家まで帰って来たいうことで、その間何があったかは全く伺い知る事ができず、もしかしたら自分は酔っぱらってとんでもない事をやらかしてるのでは。いややらかさなくてもつい脳のショートした問題発言があったんじゃなかろうか。それにより尋常は良好であったはずの人間関係がコッパミジンコになってしまったのではないだろうか。などとぐるぐる心配したあげく昨夜の飲み相手に電話を掛けて「オイラなにかやらかさなかった?」と訊いてみたりしますが「イヤ別に普通だったよ。普通」という返事が帰ってきてホッとする、あるいは「いやあ面白かったよ」と含みのある感じで言われてああやっぱり…とorzのポーズを取る。というパターンが過去は多かったです。さすがに自分自身が病院や警察のお世話になった経験はないですが、やはり人間前頭葉がマヒするとアニマルの本性が出るもんですから、自分でも知らないうちに狼藉を働いていて世が世なら打ち首獄門という憂き目にあっていたかもしれません。


さらに厳しいことに、酒飲みでない方からは「記憶を無くす」ということ自体を信じて頂けないことも多く、都合の悪い事だけ忘れたフリしてんじゃねーよ的な冷たい視線にさらされたこともあり、ゆえに今回の事件もヒトゴトという感じではなく、むしろ酒の上での失敗を全国的に報じられて晒されている剛メンバーの今の心境を思うと想像しただけで針のムシロがチクッと来るくらいで、剛…お互い飲み過ぎには気をつけよう…と遠い目で同情を感じつつ、これからの地デジビジネスの行方に思いを馳せたりしました。


しかしいろいろ腑に落ちない事はありますね。吾郎ちゃんのときは「メンバー」だったのになぜ剛くんの場合は迷いなく「容疑者」なのか。ジャニーズの政治力が弱まっているのか。それに尿検査で薬物反応が無かったにも関わらず自宅の家宅捜索。このあたりが猛烈にキナ臭い。これに乗じて各方面の隠密が暗躍したのではないか。トドメに鳩山大臣の発言。まあ地デジ利権にダメージを負わされたので怒り心頭というのは分からなくもないですが、本年度の言い過ぎ大賞はほぼ確定。せっかく盛り上がっていた鳩山人気に自らトドメをさすという荒技でした。


まあ、やっぱりお酒は楽しく適量を、だよね。と死ぬほど当たり前な結論しか出てこなくてこんな自分がイヤになりますが、オイラとしては剛くんに妙なヒトゴトでない感を覚えつつ、これから生暖かく応援して行きたいと思います。剛、ガンバ!