カジノロワイヤルの手帖

banの映画感想&小説漫画音楽路上日常雑感。

最近読んだ本

だいぶ溜まって来たのでつらつらメモ。いま時間がないので、感想はあとでそっと書き足しておきます。


いまだ個人的な鮎川フェア継続中。角川文庫版は表紙に時代を感じさせていいなあ。画像がないのが残念。中身ですが面白さのあまり一気に読まされました。例によって鬼貫警部のアリバイ破りものですが、これはアリバイトリック云々よりも、上半分が千切れた一枚の写真の秘密を、僅かな情報を手掛かりに凄まじい緻密さで追ってゆくその過程が圧巻。こういうマメさが必要な捜査に鬼貫の刑事魂が炸裂します。並行して書かれたという「憎悪の化石」も読みたい。つーか読む。


準急ながら 鬼貫警部事件簿―鮎川哲也コレクション (光文社文庫)

準急ながら 鬼貫警部事件簿―鮎川哲也コレクション (光文社文庫)

これもタイトルからして鬼貫警部のアリバイ破りもの。当然鉄道をつかったアリバイトリックが炸裂。しかし地味な印象ですね。というのもこういうアリバイ破りものばっかり読んでるとやはり飽きがくるのであろうと。こういう場合はちゃんとバランスを取って、新本格とか戦前の探偵小説とか翻訳物を読みつつ、たまにアリバイ崩しものも読む、という給食の三角食べのような読み方をしないといくら面白いものでも食傷するのではないかと。


容疑者全員が同姓同名、という設定からしてインパクトがありますが、ある意味バカミス中編を書籍化する際に長編に書き改めたものらしいですが、ちょっと水増した感じがないでもない。いろんな意味で鮎川哲也のぬけぬけとした面が良く出た一冊。


これも鬼貫警部のアリバイ破りもの。鬼貫ものの魅力は、曖昧模糊としていた事件の輪郭が捜査が進むにつれてクッキリと像を結んでゆき、一見無関連に見えた数々の断片がキッチリとつながってゆく、その過程を地道な捜査を通じて目の当たりにするところにあるのかと。そういう意味では警察小説の一面も持ち合わせていると思います。この本はこの好例。


死者は黄泉が得る (講談社文庫)

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封印再度 (講談社ノベルス)

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狂気な作家のつくり方

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ラヴ・フリーク (広済堂文庫―異形コレクション)

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映画秘宝 2009年 06月号 [雑誌]

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映画秘宝 2009年 07月号 [雑誌]

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