監督:ゴッドフリー・レッジョ。音楽:フィリップ・グラス。アメリカの雄大な自然と、都市部の痙攣的な人々の営みを対照的に撮影した一大絵巻。90分の尺を美しい映像と印象的な音楽だけで押し通す思い切りの良い一本です。これもカルト映画だそうで。一応ジャンルとしてはドキュメンタリーになるんかな?しかしそうとも言い切れない、非常にカテゴリ分けのしにくい、実験色の濃厚な映画です。
映画の雰囲気をまるで伝えないジャケ
「コヤニスカッツィ」とはホピ族の言葉で「平衡を失った世界」みたいな意味ですが、そういうタイトルから連想される文明批判、自然礼賛みたいなのはあんまり考えなくてよく、ただただ圧倒的な映像に浸り、あるいはミニマルな音楽の中毒性に侵され、深く考えずにたゆたうのがよろしいかと。
印象的な映像は数多いのですが、集積回路と都市衛星写真の、ミクロとマクロの明らかな相似を見せるシーン、そして打ち上げに失敗したロケットの残骸が地上に落ちていく様を延々ととらえ続けた映像がすごい。どうやって撮ったんだこんなの。あとは当時のNYやLAの猥雑なところが記録映像的に残されているのもとっても良いですね。こういうの見てると自分もカメラもって繁華街に出かけひとしきり街の風景を撮ったのち、タイムカプセルかなんかに入れて50年後に見返してみたいですが、まあ死んでますね。
フィリップ・グラスのミニマルな音楽も印象深く、なるべく大きな画面と音で量で鑑賞したいものです。
やっぱり動いてるところを観て(聴いて)いただきたい
ただねえ、やっぱりセリフも物語もないですし、音楽はミニマル(つまり反復しまくり)なので、ところどころでこう、なんというか、意識がスヤリとするというか、鑑賞者のコンディションによってはだいぶ強めの睡魔を誘発するのが痛いところです。自分も初回はビールなんて引っ掛けて観たらそれはもうスットーンと眠りに落ちてしまい、見始めたと思ったらもうエンドロールが流れていたというプチタイムリープ体験をしました。その反省から後日、睡眠十分、シラフ、おともにコーヒー、という万全の体制で挑んだものの、序盤10分で見事にスヤってしまったのでこれはなかなかのツワモノであるぞと思った次第です。以上、よろしくお願いいたします。
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