カジノロワイヤルの手帖

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構成で魅せる『JUNK WORLD』(2025)

監督:堀貴秀。その凄まじい執念で観客の度肝を抜いたあの『JUNK HEAD』の続編、というか前日譚です。人類と、そのクローンから生まれた異形の生命体「マリガン」の異種族同士の全面戦争を舞台に、前作の1042年前の世界を描く物語。

 

 

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このロボもすっかりおなじみ

 

 

前作の30分版はほぼ一人で、長尺版も数人での制作、という極小規模な体制ながら、恐ろしく精緻で異形でクオリティも高くかつ面白い、という驚異としか言いようのない内容でしたが、前作のヒットで制作機材も充実し、アニプレックスという資本も入り、より商業ベースに乗った作品としての続編です。前作の持つ原石のようなハンドメイド感やパーソナルな雰囲気は薄れてますし、二作目とあっては前作の制作体制が放つインパクトも弱まりましたが、今回は別軸で前作を超えてきたのでノープロブレムでした。

 

 

前作が、下へ下へと降下しながら主人公の姿形が変わっていく、という物語なら、今回は、同じ時間を何度も何度も行き来しながら運命を変えようとする物語で、ガラッと異なる構成で魅せてくれます。第一幕から最終幕まで、4幕構成のこの物語は、第一幕こそ「何だこのシーン?」「今何が起こったの?」と戸惑うシーンも多く、ついていくのにカロリーを要するものの、物語はその裏側を描く第二幕から本格的に転がり始めるので頑張って乗り切りましょう。

 

 

前作とは異なる物語構成をとりつつ、きちっと面白い話として成立させており、監督は物語作家としての資質を十分備えていると思います。前作はまぐれ当たりではなかったと。

 

 

予告は日本語吹き替え(?)版

 

 

今回、一般的な人間型のキャラクターが多く、前作に慣れ親しんでいた人にとってはちょっと違和感あるかも知れませんが大丈夫!前作のスピリットとギャグセンスはしっかり受け継がれています。エラい人とその腰巾着、というおなじみのコンビも出番たっぷりで存分にイラつけますし、前作でも熱かった泣かせの要素もバッチリですね。

 

 

音声は、日本語吹き替え版と、ゴニョゴニョ版の二種類があり、私は後者のほうで見ましたが、前作よりもゴニョゴニョの度が薄まっており、しばしば不穏なフレーズが出てくるので面白がりつつもちょっと話のノイズになるなあ、なんて思ったり。なので日本語吹き替え版で観たあと、ゴニョゴニョ版を観る、といった順序がいいかも知れない。

 

 

完結編である『JUNK END』の制作が控えているということですが、相当に情熱や神経をすり減らす仕事であるのは想像に固くなく、早く続きを観たいと思う気持ちと、いつまでも気長に待つから心身をいたわりつつ思う存分やってくれ!という気持ちが交錯するのでした。体だけは大事にしてくださいホントに。