カジノロワイヤルの手帖

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「さかだち日記」中島らも

さかだち日記 (講談社文庫)
中島らものアル中ラリ中っぷりは言うまでもありませんが、それを断っている「酒断ち」状態の日記なので実に淡々としてます。途中睡眠薬を飲んで寝たら夢遊病を起こしてしまい寝たままウイスキーを買い求めて寝たまま一本空けてしまった、とか、アムステルダムに行ったらずうっと「いけないもの」に耽溺できちゃって大満足とかというあたりがややスリリングですが基本的には淡々とした日常。それよりも巻頭と巻末の野坂昭如との対談が凄い。あの中島らもをして
「おれ、物書きってもう少しカッコいいもんと思ってたわ」
と言わしめる昭如のラリパッパぶりが深く心に残る一冊。むかしアースのCMでタタミの被り物を被って「アリ、アリ、アリアリアリ」と今で言うところのラップをかましていたころからこのおっさんはタダ者ではないと思ってはいましたが、そんなのはあなた氷山の一角に過ぎないことをこの本で知り昭如のディープさに心底慄然としています。「火垂るの墓」のあの講談のような文体もよもやラリリの産物なのであろうか。あろうか!とあらぬ疑念すら心によぎるファンキーな発言の数々。これからは野坂昭如に注目。