安藤健二による「封印」テーマのルポ集。もともと雑誌連載の短いルポを集めたものなので、「封印作品の謎」「封印作品の謎２」のような、対象に執拗に迫ろうとする執念、踏み込みが浅いのが残念。が、そのなかでも「タイタニック号に乗っていた日本人の話」「小学校のプールに書かれたミッキーマウスの絵が塗りつぶされた話」については、結構深い所まで斬り込んでおり、世間でまことしやかに囁かれているフォークロアとしてのこれらの話の真相に迫ってゆきます。が、それ以外は前著にかぶる内容も多々あるので、前著を読んだ方には物足りないかもしれません。しかし著者には今後もこのスタンスでさまざまな「ぼかされた真相」を追うべく頑張って欲しいであります。
