カジノロワイヤルの手帖

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SPIRIT スピリット

SPIRIT<スピリット> [DVD]
出演:ジェット・リー中村獅童清朝末期に実在した格闘家、霍元甲の伝記映画…と思ってたらけっこう脚色が激しいらしくて、「事実と違いすぎる!」とお怒りになった子孫の方がプロデューサーを訴えたといいます。結局その訴えは「映画内に『この物語はフィクションです』と明記されてるし、名誉を傷つけるにあたらないんじゃないかな」という大雑把な理由で却下されたといいますから子孫の方も無念ですが、映画の内容は霍元甲を始めから完璧な達人としては描かず、未熟さもあれば奢りもあり、いろいろ事件もあった結果最終的に皆に尊敬されるようになったのですよ。という描き方なので、おもにその人間臭いところが子孫の方から見るとギャースな感じだったのかも知れませんがホントのところは知りません。


映画として面白かったかと言われると、平凡でした。アクション監督がユエン・ウーピンだったのですが、撮影にスローモーションと早回しを多用しているため、アクションのダイナミズムや興奮はいまひとつ。これは振り付けの問題というよりは撮影と編集の問題でしょうね。そんないらん手法を使わんでも十分凄い動きを見せる人が主人公なんだから、そこんところ深くご理解の上、ビッとして頂きたい。


ジェット・リーは相変わらずの生真面目キャラですが、前半のヤンチャっぷりや奢りっぷりがなかなか珍しい。ちょっとムリしてる感じがないでもない。中村獅童相変わらずの顔面力で良かったです。しかし役名の田中安野って何だ?その名字みたいな名前は?実在の人物なのでしょうか?まあこの映画には中村獅童の他に原田眞人やワダ・エミもかんでますからそのへんのトンチキ日本味は水際で止めてくれたものと信じたいですがしかし…。あと原田眞人がいつのまにか腹黒日本人専門の役者になってました。どうしたんだ原田。余りにも似合ってるぞ原田。本業の監督のほうも頑張って欲しいと思います。以上。