カジノロワイヤルの手帖

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「探偵映画」我孫子武丸

探偵映画 (講談社文庫)
「探偵映画」というミステリ映画の撮影途中、謎解き部分の撮影だけを残して監督が失踪。しかも結末は監督しか知らない。残されたスタッフとキャストはパニックに陥り、これまで撮影された映画の内容から結末部分の謎を解きにかかるのであった。というこういう監督の下では決して働きたくないぞ小説の決定版。ミステリ映画の撮影現場が舞台とあって劇中映画談義に花が咲きまくるので映画ファンには親しめる内容となっています。ビリー・ワイルダーの『悲愁』というマイナーな映画まで引き合いに出されてたりしてて、この作者、けっこうな映画好きとみた。ちなみにこの小説は十分映像化可能な作品です(つまりどういうことかというと…おっとと)。幻の結末を巡っての一種のディスカッション・ドラマでもあるので、三谷幸喜が脚色・監督すると面白い映画になるかもしれません。