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カジノロワイヤルの手帖

banのスットコドッコイ映画感想&小説漫画音楽路上日常雑感。

「探偵映画」我孫子武丸

「探偵映画」というミステリ映画の撮影途中、謎解き部分の撮影だけを残して監督が失踪。しかも結末は監督しか知らない。残されたスタッフとキャストはパニックに陥り、これまで撮影された映画の内容から結末部分の謎を解きにかかるのであった。というこうい…

「書を捨てよ、町へ出よう」寺山修司

「職業:寺山修司」を名乗る著者が世間に向けて放ったさまざまな文章型パンチの集積。詩あり俳句あり短歌あり、評論ありエッセイあり、警句あり批評ありアジテーションありの寺山空中コンボ。平均化された毎日を生きるよりも、住居は橋の下でいいからスポー…

「告白」町田康

昨日は具合が悪くて一日じゅう沼に放り込んだツケモノ石みたいになってました。こういうときにやれるのは読書くらいなものなので、この分厚い文庫を手に床についてたのですが、町田康の文章は非常にテンポよくかつ独特の諧謔に溢れているのでこのようなダメ…

「虚航船団」筒井康隆

何気なく手に取ってしまったら止まらなくなってしまい、久しぶりに読み返してしまいました。第一章は宇宙をゆく巨大船団の中の、文房具たちが搭乗する船内で、文房具たちがそれぞれに狂っている様をねちねちとした筆致で描きます。登場人物がコンパスとか三…

「天狗の落し文」筒井康隆

筒井康隆は好きな作家で学生の頃は本棚の一列が真っ赤(文庫の背表紙が赤いので)になるくらい買い求めて読んでましたが、札幌に引っ越す時にお気に入りだけ選んであとは実家に置いて来てしまいました。思い返すともったいないことを。でこの本。断片的なア…

「赤い館の秘密」A.A.ミルン

英国推理小説の古典と称されるこの本、古典だからという理由で読んでみました。作者のA.A.ミルンはクマのプー太郎、じゃなくて、下半身はフリチン状態でありながら赤いシャツだけを着ているというフリーダムなファッションで名高いあのくまのプーさんの作者…

「封印されたミッキーマウス」安藤健二

安藤健二による「封印」テーマのルポ集。もともと雑誌連載の短いルポを集めたものなので、「封印作品の謎」「封印作品の謎2」のような、対象に執拗に迫ろうとする執念、踏み込みが浅いのが残念。が、そのなかでも「タイタニック号に乗っていた日本人の話」…

ワンダーJAPAN Vol.3,6,7

季刊誌なのでウッカリするとどうしても買い逃してしまう。というわけで書店にギリギリ置いてあったヤツと、バックナンバーをAmazonで一気に購入。軍艦島特集のVol.3は人気の号らしく、Amazonでは中古がプレミア価格で売られてましたが良心的な値段のところポ…

「今日の早川さん2」COCO

えーと書店で探したらなかなか見つかりませんでした。新刊コーナーにもなく、ブログ系書籍のコーナーにもなく、まさかと思ってハヤカワ文庫のコーナーに行ってみたらここにもなく、途方に暮れているとミョーに目につきにくい場所にディスプレイされてたのを…

「キッド・ピストルズの冒涜」山口雅也

こういう時には横になって寝るか読書するかに如くは無し。というわけでこの本を。この世界からいろんなモノがちょっとズレているパラレル英国を舞台に、スコットランド・ヤード所属のパンク刑事、キッド・ピストルズと、相方のピンク・B、そしてこの世界で…

「今日の早川さん」COCO

浪漫堂にてゲット。早川書房刊。SF小説マニアにして重度のビブリオマニアである主人公の早川さんの日常を描いたWEB4コマ漫画。本好きにはグッと共感できる話や本好き故のビターなエピソードが満載。絵もキャラもカワイイのでおすすめ(特に眼鏡っ娘好きの方…

棄本日記2008/4/13

引っ越しの日取りが(ほぼ)決まったのでいろいろ不要物の整理にかかりましたよ。例によって蔵書も吐き出しにかかっております。今回の放出リスト。 HTMLタグリファレンス (ナツメ社ハンディ・リファレンス)作者: 磯野康孝,蔵守伸一出版社/メーカー: ナツメ…

「マコちゃんのリップクリーム(1)」尾玉なみえ

いやあ店頭で探したけれども見つからず、Amazonでポチッとやって入手しました。店頭で見つけたとしてもタイトルと表紙の乙女チックさに苦悩して結局ポチッで入手したと思いますが…。 さてもはや打ち切りが一つの芸風になってすらいる尾玉なみえですが、今回…

「イニシエーション・ラブ」乾くるみ

と、そう思って布団の汗も乾かぬうちに読み始めたのがこの本。やはり浪漫堂の店長に「いやこれもビックリだから…」と勧められて買いましたが、なんだこのケータイ小説みたいな題名と装丁は。なんかのう。いや、しかし病床という読書にうってつけのシチュエー…

「どんどん橋、落ちた」綾辻行人

先日の「暗黒館の殺人」で最近のドル並みに急落していた綾辻株でしたが、浪漫堂店長の「いや、これはいいよ?綾辻株回復だよ?」というオススメを信じて同店にて購入。短編集には珍しい、全編ほぼ読者への挑戦つきパズラー。全五話からなる連作で、都度厳密…

「葉桜の季節に君を想うということ」歌野晶午

スカした題の本め!とか思ってたんですが浪漫堂の店長に「ビックリするよ〜」とオススメされてたので買って読んでみたら…ほんとにビックリだ!悪徳商法の業者に殺された老人の仇を討つため、業者の内偵を始めた元・私立探偵、という21世紀の日本を舞台にした…

「ノラや」内田百間

内田百間の「間」の字はホントはモンガマエの中に月なんですが、これが変換で出ない。「内田百けん」と書くのも間が抜けてるので、戦前の筆名「内田百間」で書きます。 で本書。すでに老境に入った百間先生のところに迷い込み、そのまま居着いてしまった野良…

棄本日記2007/12/27

先日のクリアランス計画の結果は芳しくなかったものの、下記の書籍の放出を決意。がんばりましたオイラ。しかしまだ手放そうかどうか決めかねているものもいくつかあり、まあそれは来年にということで。地下鉄のザジ (中公文庫)作者: レーモン・クノー,生田…

「暗黒館の殺人」綾辻行人

綾辻行人の館シリーズは、ホームラン、スリーベース、ツーベース、ヒット、バント、三振など色々揃ってますが、基本的に好きな部類なので全部読んでます。で、久方ぶりの新作が文庫で出たので脊髄反射で購入したのですが、分厚い文庫版で4巻という超特大ボ…

「ムーたち(2)」榎本俊二

前作より更にターボがかかった形而上的ぶっ飛び具合。余りにぶっ飛び過ぎてて榎本俊二はいつ死んでもおかしくない状態に。危うし榎本!死ぬな榎本!我らは第3巻を待っている!しかし発行は多分一年後だ。急げ榎本! …って思ってたらどうやら連載は終了して…

三好達治詩集

ああ、この人の詩はむかし中学の教科書で読んだ事あるなあ、と思って古書店で購入。教科書にも載ってた有名な「雪」という詩は、 太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ 次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ というたった2行だけの詩で、土俗的な日本の冬…

棄本日記2007/10/06

本を買った日記はよくありますけど、本を処分した日記は見たコトないので以後こころみに記録してみることにします。 ・映画宝島「怪獣学・入門!」 重版本を持ってたのですが、さる筋から初版本を入手したのでこっちは古書店へ。重版本からは、初版にあった…

「みんな元気。」舞城王太郎

文庫化された舞城作品は多分全てチェックしてると思いますが、こないだ読んだ「九十九十九」といいこの本といい、物語が凄い勢いで悪夢化してて果たして読者はついて行けてるのか心配になります。自分もこの本は途中から「考えるな。感じるんだ」というスタ…

「虚無への供物」中井英夫

戦後の推理小説の最重要作の一本。現在数度目の再読中。読んでて切実に思う事には、やはりきっちりと納得のゆく形で映像化作品が見たい!10年ほど前にBSでドラマ化されていましたが、やはり原作の持つ反ミステリ、反世界の神髄は完全に表現しきれておらず、…

療養中に読んだ本

というわけなので昨日と今日はひたすら布団のなかで読書にふけってました。読んだ本をまとめてここにメモ。毒草を食べてみた (文春新書)作者: 植松黎出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2000/04メディア: 新書購入: 2人 クリック: 18回この商品を含むブログ (…

「街角のオジギビト」とり・みき

初期の路上観察学会に在籍していた事もあるとり・みきが、工事現場の「ご迷惑をおかけしております」でおなじみのアレを20年に渡って収集した、その集大成。なぜ今になって?という気もしないでもないですが、どうやらネット上で同様の物件を収集していた…

「合本 真夜中の弥次さん喜多さん」しりあがり寿

とりあえず映画を観たのと、もともと原作に興味があったのでAmazonでポチっと。映画版のバカ騒ぎっぷりとは打って変わって虚無感が濃厚に漂います。物悲しい。夜中に独りで読んだりすると寂しさで眠れなくなりそうです。

「日本のみなさんさようなら」リリー・フランキー

邦画専門映画コラム集。でありながら、前書『長一郎と良子』という文章で始まるので何事かと思いますが、これが実はこの本の重要なテーマを語っているのでムム、できる!と思い読み始めたらコレが面白い。ある回で「これは評論ではなくて、映画を観て僕が何…

「そして誰もいなくなった」アガサ・クリスティー

えーとこれも「アクロイド殺し」同様ネタがバレた状態で読んだのですが(子供の頃に映画版観たのです)、その状態だとさすがにサスペンスも薄れますね。でも面白く読んだであります。映画版は出演がオリバー・リード、リチャード・アッテンボロー、ゲルト・…

「ムーたち(1)」榎本俊二

「えの素」でオゲレツ&ドタバタギャグを極めた榎本俊二が帰ってきた!中身はあろうことか形而上的哲学教育ギャグ。というかこれはもうギャグと言っていいのでしょうか。ギャグを通り越して前人未到の所にたどり着いてしまったのではないでしょうか。と思わ…

「パンク侍、斬られて候」町田康

本人はそう呼ばれるのは不本意らしいですが、客観的にはどう見てもテレビ時代劇の大マニアである町田康の長編時代小説。…と、表紙だけみればそんな感じですが、中身は大変なことになっていました。全体的にテレビ時代劇、時代小説の壮大なパロディをやって読…

「ガラクタ捨てれば自分が見える―風水整理術入門」カレン・キングストン

普段は読まないこの手の本。何でここにあるかと言えばくおくおのよっしー氏のオススメによるもの。風水というわりとスピリチュアルな角度から、家にガラクタを溜め込む事がいかに無益か、ひいては有害かを説くこの本。スピリチュアルといっても書いてある事…

「ハサミ男」殊能将之

シリアルキラーのハサミ男君は次のターゲットとなる少女の身辺を洗い上げて犯行の計画をこちこち立てていました。準備万端、いざ事に及ぼうと接近したらばその少女は先を越されて殺されており、あろうことかハサミを首に突き立てるという自分の手口をすっか…

「アクロイド殺し」アガサ・クリスティー

というわけで読みました。前にも書きましたが超有名なこの作品、ネタバレしてない状態で(あるいは模倣作を読んでない状態で)読むのが非常に難しいという作品でして、オイラも例に漏れず大いにネタバレした状態から「ミステリの歴史的に意義のある作品だか…

「さかだち日記」中島らも

中島らものアル中ラリ中っぷりは言うまでもありませんが、それを断っている「酒断ち」状態の日記なので実に淡々としてます。途中睡眠薬を飲んで寝たら夢遊病を起こしてしまい寝たままウイスキーを買い求めて寝たまま一本空けてしまった、とか、アムステルダ…

「スティール・ボール・ラン」(9)荒木飛呂彦

なんだかまた大変なことになってきています。あとカバー絵すげえ。

「阿修羅ガール」舞城王太郎

舞城王太郎の小説にはある傾向があるように思います。小説は一人称形式で、かならず主人公は一本芯の通った人物であり、自己や自己をめぐる人々、自分の過去やこれからの事柄についてとても透徹として確固たる哲学を持ち、その確固たるところがとても魅力的…

「殺戮にいたる病」我孫子武丸

健全で平明な文章で語られる、世にも凄惨な連続殺人の物語。最初は内容の病み方に反してあくまで健康的な文体に物足りなさを感じ、最初の何ページかを読んだだけで放り出してましたが、思い立って最後まで読んでみると…!おおっとこれ以上は言えねえ。ホラー…

「日本の昔話」柳田国男

民俗学の始祖による日本の昔話スタンダード集。小さい頃見聞きしたいろんなお話が詰まってますが、特筆しておきたいのはその美しく格調高い日本語。とくに「はしがき」における、大人が子供に諭して聞かせるような、優しく、ふくよかで、包容力のある日本語…

「スティール・ボール・ラン」(1)〜(8) 荒木飛呂彦

というわけで現在ウルトラジャンプの方の連載が盛り上がっているのでつい単行本に手を出してしまいました。ただのキャノンボールレースの話として始まった物語が、いつの間にか「聖人の遺体探し」というどえらい方向に向かっていくあたりで俄然盛り上がりま…

ワンダーJAPAN (2) 2006 SUMMER

はたして続刊できるのであろうか?と人ごとながら心配だった廃墟珍スポ専門誌の続刊がめでたく出たということで謹んで購入。表紙にもなっている大阪の軍艦アパートがまさに圧巻。21世紀になってもまだこういう物件が現存していたということ自体がすでに驚…

「ビーチ・ボーイズのすべて」中山康樹

良くあるアーティストの全曲解説本ですが、立ち読みしてみたら結構濃いい内容だったのでつい衝動買い。つらつら読み始めたら、うはは、妙に面白いなこれ。バイヤーズ・ガイドとして、あるいは資料として面白いのではなく、通して読むと著者自身のビーチ・ボ…

「耳そぎ饅頭」町田康

この人のエッセイは初めて読みましたが、床に臥せって潰れたアンパンのごとくグッタリしていたにもかかわらずゲラゲラ笑ってしまいました。この文体は卑怯だ。反則だ。「ますらお」「大岡越前」とかそういう言葉をゲリラのように出してくるだけでもおかしい…

「不味い!」小泉武夫

さいきん読書づいていますが、まあ風邪みたいなもんだと思ってください。この人の食に関するエッセイは好きで時々読んでいますが、テーマが「不味いもの」だけあってゲテモノ映画を好むオイラとしてはなにかこう言いがたいシンパシーがわいてきます。観光地…

「事件」大岡昇平

昭和53年度日本推理作家協会賞受賞作。映画化歴、ドラマ化歴あり。という予備知識を持って読みましたが、これは厳密には推理小説ではなかったです。ありふれた田舎の殺人事件を題材に、その裁判の過程をまるで教科書をひもとくように描いてゆきます。これは…

「くっすん大黒」町田康

うは。うはは。うははははは。面白すぎます。思わず吹き出さずにはおれません。とにかく言語感覚がおかしくてそれだけで笑いが。「ひょっとこ参上」「たにし野郎が」「ロボット同心」「淫乱バスト・秘密の大戦略」といった単体でも破壊力の高いフレーズが独…

「エジプト十字架の秘密」エラリイ・クイーン

エラリイ・クイーンの国名シリーズ代表作、らしい。首なし死体という道具立てや、サスペンスフルな終盤の追跡劇はなかなか面白かったのですが、犯人が途中で判っちゃってしかもそれ大正解ときた。ただし判ったと言っても推理のロジックでではなく、小説のロ…

「あなたに似た人」ロアルド・ダール

有名な本なので買って読んでみましたよ。いわゆる「奇妙な味」小説を代表する短編集ですが、正直、同じ「奇妙な味」なら阿刀田高の方が切れ味よくて面白いと思ったであります。有名な「味」「おとなしい凶器」「南から来た男」の3編の有名たる所以を確認し…

「煙か土か食い物」舞城王太郎

本を読み漁っていると、時々この人はなんで小説を書こうと思って書いたんだろうと思う事があり、その人がふとした動機とキッカケで己の内面を文字の上にひねり出してしまい、その結果が執筆とか編集とか出版とかその他諸々の面倒くさい過程を経て、うっかり…

「封印作品の謎2」安藤健二

おお、続編が出たか、と買って何気なく読み始めたら、引き込まれて最後までイッキ読み。前作以上に息詰まる力作ルポルタージュでした。 「キャンディ・キャンディ」「ジャングル黒べえ」「オバケのQ太郎」「サンダーマスク」といった作品が、現在なぜ封印状…